本記事は下関福岡旅行記第2弾である。
関門海峡には人道トンネルがある
つい先日まで知らなかったのだが、関門海峡は列車でも車でもそして徒歩でも渡ることができる。それまでは列車が通っていることも知らなかったし、基本的には車で渡るものだと思っていた。徒歩で渡れるものであれば渡ってみたいと思い、今回の旅行で訪問することに決めた。
路線バスのバス停「御裳川」で降車すると関門トンネル人道入り口という看板がすぐそこにある。ちなみにこの近くには「壇ノ浦」というバス停もあり、壇ノ浦の戦いの戦場跡の広場もある。移動に余裕がなかったため、その写真は今回撮り逃してしまった。
ここからエレベータに乗って地下55メートルに降りる。エレベーターは一般的な運搬用のエレベーターみたいな外見だった。(これも写真なし)。
エレベーターを降りる前に通行料金の支払いがあり、原付の場合は20円で徒歩の場合は無料だ。トンネル内では原付は手押ししなければならない。
エレベーターを降りて到着した広場が以下の写真。右のほうに下関のことが色々と説明されたボードがある。
スタンプエリアがあり、下関側のスタンプを押すことができる。福岡に渡ったら福岡分の片割れのスタンプと合わせることでスタンプ全体が完成する仕組みになっている。私はこれに気付かずに別々にスタンプを押してしまった。
トンネルの中を見つめる。長さは780メートル。いざ徒歩で本州を渡り福岡へ。
トンネル内を進む。壁に魚の絵が描いてあったりして、少し涼しい感じがする。
また、お盆のシーズンで外が台風で暴風雨なのにも関わらず、地元の人がちらほらとランニングして汗を流す姿が目立つ。トンネル内は天候にも影響されないため、地元の人たちにとっては良いランニングコースなんだとか。東京で言えば皇居ランナーみたいなものか、とか考えながら歩き続ける。
中間地点である福岡と山口の県境に到着。トンネル全長の780メートルの中の丁度半分の390メートル地点。そして地上からの深さが58メートルで歩き始めより3メートル下ったことになる。ここから福岡到着までもう半分歩き、再び3メートル上る。大きく一歩を踏み出しこの県境を超える。
余談ではあるが、海底の県境を徒歩で渡れるのは日本でもここだけらしい。
福岡へ渡り、下関の入り口とほぼ同様の形で今度は地上へ向かう。そして地上に出た景色が以下の写真だ。
海底を自分の足で歩き、先ほどまで海の向こうにあった陸地に到着できたことを感慨深く思う。そして、先ほどまで自分がいた海の向こうの陸地にも思いを馳せてみる。
しかし、地下を歩いている間に台風が接近したらしく外は大雨で風も強くなってきた。海が近いのでもしかしたら波が危険かもしれないと思い、足早にバス停に向かった。
その後、そして旅の感想
この後、目の前のバス停から門司港駅まで行き、門司港駅から鹿児島本線に乗って博多駅まで向かった。博多駅までの所要時間は大体90分ぐらいだっただろうか。台風で鹿児島本線が運休していたら移動手段がなく万事休すという状態だったが、本数制限ありで何とか動いていてくれて本当によかった。
普通の人からすればただトンネルを渡っただけで何が楽しいのか、と思うかもしれないが、到達目標にしてきた場所に実際に自分の足を運んで行けるというのは旅の醍醐味だ。また一つ日本を肌で知ることができたし、私にとっては価値ある旅になった。もう少し天候が良ければもっといろいろな景色が見られたと思うし、余裕もできて写真も撮れたかもしれない。残念といえばその点だが、何とか移動もできたし、トラブルに巻き込まれることもなく怪我することもなく無事に旅を終えられて良かったと思っている。
次の旅は和歌山の潮岬、または相島のリベンジ、あるいはトカラ列島の総なめ縦断、沖縄の与那国島と八重山列島巡り、など色々行きたいところが尽きない。今から楽しみだ。
adios