rk-baryoのゆるっと日記

日常生活、ビジネス、旅などについてゆるく語るブログ

褒められることの副作用を知る ~『「承認欲求」の呪縛』を読んで~

人間であれば誰でも承認欲求を持っていると思う。人間は社会性を持った生き物であるため、組織の中で生きていく上で承認欲求を持つようになったのだろう。

承認という言葉はなかなか良い響きだ。少なくとも悪い感じはしない。私も否認されるよりは承認される方が当然気持ちがいい。当然だろう。承認すること、とりわけ相手の良いところを褒めてやることというのは一見するとメリットがかなり大きいと思える。私自身も褒められた方がやる気が出るし、今のご時世デスクにモノをを叩きつけて部下を叱りつける上司など時代遅れも甚だしい。だから褒めることにはメリットばかりあると思っていた。

褒められなければならないという呪縛

しかし、この本を読み考え方が変わった。もちろん褒めることを否定するつもりはない。ただ、そのやり方は注意しなければならない。相手を褒めることで必要以上に期待をかけてしまい、そのプレッシャーに押しつぶされるケースがとても多いというのである。私はあまりいろいろな人に褒められたことが少ないからあまり実感は湧かなかったが、褒めらることを目的にして無理をしてしまう「呪縛」には心当たりがあった。

例えば会社での生活。日本人はまだまだ残業好きである。働き方改革で残業時間を減らす流れがあるが定時後にすぐに帰る人はいまだに少ないと感じる。そんな状況だからやっぱり会社の評価も残業している人を高く評価しがちになる。つまり、残業をすることが会社からの承認につながる。すると、承認されるためには自分の業務が残っていなくて帰れる状態なのにも関わらず、他の人を手伝ったりして残業するという事態が発生する。これでは残業が減るわけがない。

他の選択肢があるということを知っている強み

人生において会社というコミュニティの重要度が高いためこのようになる。逆に言えば自分にとってさして重要度が高くない組織に属していればこの考えはなくなる。だったら会社というコミュニティの重要度を下げれば良いのである。それを達成するには副業をやるのが一番手っ取り早いと思う。

最近私は基本的に残業をやらない働き方のスタイルにシフトし始めている。最低限自分のやるべきことを定時までに片づけ、時間になったらさっさと帰る。以前はそれができなかった。なぜなら、会社にしがみつかないと将来お先真っ暗だと思っていたから。だからやりたくもない残業をし、無意識のうちに周りに良い印象を与えようとしていた。だが今は違う。いろいろな人のブログを読み漁り、ビジネス本や自己啓発本の数々を読むなかで、会社で働くという生き方は人生の一つの選択肢にすぎないということに気が付いたから。それは私の生活の中で会社というコミュニティの重要度が下がったことを意味する。

こうなると、別に会社に媚を売る必要もなくなるので、周囲からの視線なんか気にせず堂々と振る舞うことができるようになる。実際に気持ちも前よりかなり楽になったような気がする。

呪縛から逃れるために他の居場所をつくろう

これは会社に限った話ではない。学校のいじめで自殺が絶えないのも、すべては狭いコミュニティでそれが日々の生活において最重要になっていることが原因である。要するに”重い”のである。オモエモン並みに重い。そしてそのコミュニティに自分の居場所がなくなったとき、人は逃げ場を失って自殺という道を選んでしまう。大失恋とよく似ている。

だから、いつでも退避できる他の居場所を作っておくというのはリスクヘッジになるし、心の拠り所にもなる。一つのものに拘ることも良いことではあるけれど、それが否定されてしまったときに受けるダメージは計り知れない。だから僕たちは上手に社会の中に複数の居場所を求め、それに依存しすぎることもなく生きていくことが必要だと感じた。

 

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