rk-baryoのゆるっと日記

日常生活、ビジネス、旅などについてゆるく語るブログ

八丈島旅行記 #1

久々の旅

先週、久しぶりに旅行に行ってきた。コロナウイルスが流行りだした2020年の初頭以来、ずっと泊りがけで旅行に行くことがなったので実に2年半以上ぶりの本格的な旅行となった。久しぶりすぎてとても新鮮な感覚だったので、その時みた景色や思ったことをつらつらと記載していく。

台風14号が接近する中での出発

今回の旅、元々の行き先は八丈島青ヶ島を目指していたが、台風14号が接近してきていて出発前からかなり雲行きが怪しくなっていた。夜22:30発の竹芝桟橋フェリーターミナルに到着すると船の運航状況が随時確認できるのだが、伊豆大島行き以外の船は全便条件付き運行となっており、天候により島への着岸が難しいと判断された場合は東京に引き返すという制約が出ていた。正直、心の中ではこの時点で八丈島へは行けても、青ヶ島へは行けないだろうと既に思いはじめていた。そして一緒に行く旅慣れた友人からは、フェリーがかなり揺れるから船酔いを覚悟して事前に酔い止めを飲んでおけ、と散々釘を刺された。私はガッツリ外洋を長時間航行するフェリーに乗るのはこれが初めてだったので、不安な気持ちも多少はあり、無理せず今晩は早めに寝ようと思った。

そして定刻になりフェリーが東京湾を出発した。大学生のウェイウェイ集団が思いのほか多く、出港時にスマホで景色を撮影したり、デッキでブルーシートを敷いて酒盛りを始める輩もそれなりにいた。楽しい旅行だからそういうことをするのも悪くないだろう。だが、この先船の揺れでどれだけ自分がダメージを食らうのか想像がつかなかったので、私は同じようなことをしようとは到底思えなかった。それよりも今晩しっかり眠れるのか、ということだけが心配で仕方なかった。そして部屋に戻ってすぐに酔い止めを飲んでおいた。

私たちは特2等という部屋を割り当てられたのだが、これがカプセルホテルみたいに狭く、身支度を整える動作をするのがやっとというスペースしかない。おまけにほぼ相部屋状態なので、近くの学生がこの狭い空間で酒盛りをしだしたのを見て、このままだと今晩船酔いでひどい目に遭いそうだということで、1人6,000円追加して1等の個室にグレードアップしてもらった。これがホテルみたいに快適な部屋だったので、何とか夜中に備えることができそうということで一安心した。

眠さと揺れとの戦い

出港から2時間ほど経過し、横須賀を過ぎて東京湾を抜けはじめるあたりのタイミングで船が少しずつ揺れ始める。縦揺れも横揺れも両方ある。気持ち悪くはなっていないがそろそろまずい雰囲気がしたので布団に入って寝ることにした。しかし、次第に大きくなる揺れと部屋の色々なものが傾いて落ちたりする音が聞こえたりして気が散ってなかなか入眠できない。そうこうするうちに時刻は深夜1:30となり、場所的には三浦半島沖の外洋を航行している頃である。船の揺れは激しさを増し、ジェットコースターのような縦揺れと船に波が打ち付ける音でやはり寝付くことができない。依然、気持ち悪くはならなかったが、酔い止め薬の副作用で異常にのどが渇く。出航前から感じていた嫌な予感は的中し、寝付けない過酷な夜になってしまった。これも旅の醍醐味と思えば楽しいものなのかもしれないが。

なんだかんだで朝の5時ごろに三宅島に到着する。私たちの目的地は八丈島で、午前9時ごろに到着する予定だったのであと4時間か、などと考えていると、波が高く八丈島へは着岸が難しいため八丈島へは行かずこのまま東京に戻ります、というアナウンスが入った。私は半分寝た状態だったがその館内放送をしっかり聞いていた。あぁ、この旅行は失敗だったな、台風にしてやられたか、9月の旅行はやはり難しいか、などおぼろげながら色々なことが頭をよぎったが、とりあえず眠かったのでそのまま眠りに落ちた。

帰路での決断

そして9時ごろに起床して食堂に向かい、朝飯にお茶漬けを軽めに食べた。寝不足のせいで気分はあまり優れず、酔っているのかそうでないかよく分からなかったが、とりあえず食欲だけはあったので何とか船酔いを回避できたのかもしれないと思った。食堂では昨晩の大揺れに翻弄されたであろう人たちも朝食を取っていたが、ぐったりとしている人は何人かいたし、その場でリバースしてしまう子供もおり、この船旅の過酷さを物語るような光景だった。

もう八丈島へも行けないし、台風も接近していてこれから先どんどん天候も悪化してくことが予想されるので、このまま全旅程キャンセルするのが普通の考えだが、東京に着いたら飛行機に乗り換えて八丈島まで行く選択肢を私たちは捨てていなかった。朝の海をデッキから眺めながら、やはりこのまま何もせずに旅行が終わることだけは納得いかないと思ったし、帰りの保証はないけれど、自分たちの運を信じて八丈島行きの便にかけてみるのも面白いと思った。まさに旅好きの執念である。そして夕方15:50羽田発八丈島行きの飛行機に滑り込み、ここからやっと旅行が本格的にスタートしたのだった。

(#2に続く)

 

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