「人生普通に生きていけばいいんだ」
「結婚相手は普通の男(女)であればそれだけでいいのに」
世の中はこんなセリフを吐く人間で溢れています。
これらを聞くたびに毎回自分の中でこうツッコまずにはいられないのです。
「そもそも普通って何なんだよ」
相手の思うつぼになってしまった前職時代
私が前職の仕事中、上司によく言われていたことがあります。それは、
「お前は普通じゃない、こんなミスをするなんて本当に頭おかしいだろ」
完全なる人格の否定。しかし、自分に対する文句やクレームに対しても黙って謙虚に受け入れて振る舞うことこそが美徳と感じていた当時の私は、上司の言葉にも素直に反省し、自分の行動を改めるように精いっぱい努力を尽くしました。
結果的にはこれが負のスパイラルを生み出すことになります。
私が謙虚になればなるほど、上司の発言はどんどんエスカレートしていきました。その結果、重箱の隅を楊枝でほじくるような指摘のオンパレードを浴びる羽目に。疲れ果ててしまい、適応障害でやむなく休職に追い込まれてしまいました。
いい意味でもっと上司に反抗すべきだったと思っている
このようなパワハラチックな上司はもちろん許されてはいけないと思いますが、人間関係がうまくいかない場合というのは、必ず双方に原因があることが99%だと私は考えています。どちらかが一方的に悪いように見えても必ずもう片方にも原因があるのです。
この例でいうと、私があまりにも自己主張しなさすぎる人間だったので上司に舐められる状態に陥ってしまったのだと思います。仕事関係であろうと恋愛関係であろうと、いったん舐められてしまうと、そこから元の人間関係に戻すのは極めて困難になります。
当時の自分に今会えるのであれば言ってやりたいです。「お前が思っていることを正直に自信を持って堂々と上司にぶつけてみろ」と。当時の自分でも本当は上司のことがムカつくし、自分の考えでは到底納得できないようなことを平気で言われて泣き寝入りの状態になっていたのですから。でも私には自分の意見を主張する自信がなかった。上司の言っていることは社会人としては普通とされるもので、私は社会人経験が少なくてその普通という定義が分かっていなかったから、こういうものだ、という風に受け入れるしかなかったのです。
人間の数だけ普通の定義がある
私は良く思っていました。「自分の考えは普通じゃない。何年も社会人を経験している上司の考えが普通に決まっているのだ」と。この思想こそが洗脳の始まりといえるでしょう。本心では何か違うと思っているのに、無理に相手の発想に合わせようと間違った方向に努力をしてしまうこと。思っていることとやっていることがチグハグなので、当然噛み合うはずもありません。
「生き物にとって自然に振る舞うということはとても大切なことなんだ」とスナフキンは言います。自分の考えや信念に沿って行動するということがいかに大切であるかを説いています。行動というのは、気持ちが伴って初めて心からそれができるというものです。
私たちは皆別々の人間ですから、それぞれ心の奥底に思っている物事に対する考えや捉え方が異なるのは当然です。だから、自分が思うことをもっと正直に、自信を持って相手に伝えてみるということがこれから益々大切になっていくのではないでしょうか。
自戒も込めて。
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