rk-baryoのゆるっと日記

日常生活、ビジネス、旅などについてゆるく語るブログ

ピエール瀧の逮捕による過去出演作品の差し替えに違和感

ちょっと前になりますが、ピエール瀧が薬物であるコカインを使用して逮捕されたという事件がありました。薬物の使用というのは決して許されることではなく、逮捕というのはもちろん妥当であると私は思います。

ただ、私の中でどうも腑に落ちないことが一つあります。それは、ピエール瀧容疑者が過去に出演していた作品のシーンを差し替えるという行為が行われていることについてです。賛否両論あると思いますが、私は過去作品のシーンの差し替えは不要だと思います。

取り直しのコストが大きい

過去シーンの差し替えとなると、まず新しい俳優さんを探す必要があります。その人が決定したら俳優さんが同シーンのセリフを覚えて取り直して編集という作業があると思いますので、それなりに時間とコストがかかることは容易に想像がつきます。

そのような行為ははっきり言って無駄です。ITベンダーで例えると、プログラムを作った後に設計書を作り直して最後に納品し直す、というぐらい凄まじく無駄な作業です。日本企業のサラリーマン文化が決まりやフレームワークをきっちり守るように、こういう思想の人たちはとにかく形とかプロセスを絶対視します。冷静に効率性やコスト面などを考えると、違う俳優さんを使っての取り直しというのはかなり無駄だと言わざるを得ません。

作品が役者個人の事情に左右されてはいけない

"観客は役者自身のことを知る必要はない。役者は舞台の上で役を全うすればそれでよい。"

かつての名俳優である渥美清はこのような主旨のことを言っていました。つまり、役者個人がプライベートでどんな事情を持っているにせよ、作品に対してその役を全うしているのであればそれで問題ないということです。

ピエール瀧容疑者が差し替えシーンの当時に既に薬物を使用していた可能性もあるかもしれません。その事実を踏まえたうえで後でシーンを見直すと不快に思うこともあるでしょう。そういう意見に配慮するのであれば、回想シーンでその過去のシーンはカットするというのも一つの手だと思います。取り直して差し替える必要がそこまであるとは思えません。

麻雀放浪記2020」の公開は正しい判断

作品に罪はない、として「麻雀放浪記2020」の公開を予定通り決定したことは称賛すべき判断だと思います。映画は見たいと思った人がお金を出して見に行くものであり、判断は視聴者に委ねられるからです。

 

ダメなものはダメと一律に感情論で決めつけるのではなく、合理性とか効率性という観点でこの問題を考えると、単純に過去シーンを差し替えるのが本当に正しい判断だとは思えないのです。

 

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