rk-baryoのゆるっと日記

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安田純平さんの帰国に対する反応について考えたこと

まずは帰国できて良かったと思う

先日、シリアから帰国したジャーナリストの安田純平さんのニュースが話題となりました。

news.yahoo.co.jp

2015年からつい先日までということで約3年間もシリアで監禁(軟禁?)されていた状態が続いていたそうです。彼の証言が真実であるならば、それは想像を絶するような苦痛だったと思います。それを乗り越え、まずは殺されずに帰国できて本当に良かったと思いますし、同じ日本人としてほっとしているというのが私の感想です。

自己責任論を唱える人たちがいる

さて、彼が帰国した後に国内ではこの騒動に対するいろいろな反応がありました。私のようにとりあえず帰国できて良かったというような意見の人も多くいました。しかし、それとは少し異なる意見を持つ人たちもいました。それが、このニュースで少し問題になっている自己責任論を唱える人たちです。

この自己責任論とは、簡単に言うと「日本で渡航禁止となっている国に個人として赴いた以上、何かあっても自己責任でお願いします」というものでしょうか。さらに本質を突くと、釈放のために身代金を要求されても自己責任である以上、国からお金を出して助けるような行為は避けるべきであり迷惑極まりない、ということを主張したいのがこの自己責任論を唱える人たちです。

私もこの主張は良く分かります。単純に考えれば、ルールを破った人間に救いの手を差し伸べるというのは一見バカバカしいと思うからです。ちょっと過激に例えるならば、犯罪者に対してお小遣いをあげたり身の回りの世話をしてあげるようなことなのかもしれません。そのような過保護は本来必要ないわけですから。

日本人は平和ボケしているからそんなことが言える

しかし、ジャーナリストは現地起こっていることとかその現実を国内の何も知らない私たちに伝えるのが主な仕事だと思っています。そういう中で、一般人が行くことのできない渡航禁止されている国に行ってそこで起こっていることを伝えることは彼らにとっては当たり前のことです。それが彼らの仕事なのですから。そして、彼らがいなければ決して知ることができないような情報が今は当たり前のように身近に溢れかえっており、私たちはその情報をつかむために彼らがどんな苦労や困難を潜り抜けているかということを知らないのだと思います。

こういう平和ボケした先進国の日本人だから自己責任論みたいな考えが出てくるのだと、今回の一連の報道やそれに対する人々の反応を見て私は思いました。情報があるということはその情報を掴んで伝えている人が必ず存在します。今回問題になった自己責任論の考え方は、必死に情報を伝えてくれている人たちをバカにしているとしか思えません。

釈放に身代金が必要であれば

とはいえ、自己責任論を唱える人たちが主張するのは、釈放するために高い身代金を要求されるのが迷惑ということであり、これに対しては全否定することは私もできません。例えば10人捕まって釈放に一人当たり3億円必要となると、全員釈放するのに30億円必要になります。この30億円を国が負担することとなると、もっと他のことに使えたお金なのに、というような損した気持ちになります。わかります。

こういうことを無くしたいのであれば、一切を自己責任でというような考えもひとつありかなと思います。しかし、これはある意味情報を伝えてくれる人たちへの冒涜行為であるとも言えると思います。彼らのおかげで情報を得ている国民は彼らを助ける義務があると思うから。ギブアンドテイクですね。

だから、本人が捕まらない努力をすることはもちろん、捕まって身代金が必要になったとしてもその額ができるだけ低くなるようにする必要はあると思います。そして国としてはその身代金を払ってでも彼らを釈放に導くべきではないかと私は思います。

 

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